専門学校の学校案内パンフレット制作。つくり方の正解は?
- magazine
- web
「24Pの学校案内パンフレットをつくってください。台割は最初に校長メッセージ、次に理念、P3からは卒業生インタビュー4名で・・・」
といった形で学校案内パンフレットの制作に入って行くのですが、私たちは制作に入る前に、学校の方たちに必ずお願いしていることがあります。
「もう一度、ユーザーに最適な形が何かを一緒に考えてみましょう。」
学校案内は「誰が、いつ、どのようなタイミングで」見るものなのか。
①媒体の位置付けを改めて考えてみる
学校案内に限ったことではありませんが、制作において一番重要なのは、「誰が、いつ、どのようなタイミングで見るものなのか。」ということです。とくに若い世代はYouTubeやインスタ、TikTokなどのSNSの利用も多いため、その中で学校案内は「どういう立ち位置で、どういう効果を出すために必要」と改めて位置付けを明確にしてあげる必要があります。
では実際に、専門学校を目指す高校生のユーザー行動の中で、学校案内がどのように機能するのか、を一緒に考えて行きましょう。(webではこのことを「カスタマージャーニーマップ」と呼んだりします。)
②ユーザー行動から見えてくること
美容やファッション、デザインなどの専門学生は、実際には憧れの美容師やデザイナー、活躍している先輩などというところから入り、彼らのYouTubeやインスタ、TikTokなどのSNSを見て、情報収集をスタートします。
完全にSNSファーストです。
そういった動機から「将来は美容師になりたい!」「有名なデザイナーになりたい!」という想いを強くしていき、「専門学校に行ってみよう!」「あの人と同じこの学校に行ってみたいな」「なんとなくこの学校が自分と合いそうだな」というような学校選びに入って行きます。
でははたして、学校案内の目的は何でしょうか? 学校に入ってもらうことでしょうか?
答えはNoです。
③資料請求の約80%は一括請求。ということは?
SNSなどから情報収集に入り、気になる学校のwebなどを比較検討し、実際に行ってみたいと思う学校の資料請求をするのですが、実際に資料請求の約80%は一括請求になります。
それは、どういうことか。
実際には学校選びの専用サービスサイトから、気になる専門学校の資料を一括で請求し、まず学校案内を集めます。
つまり、こういうことです。
(たくさんの学校案内を一括請求して並べています。)
専門学校を選ぶ高校生はこのシーンの中で
「やっぱりこの学校が好き。〇〇〇〇〇〇」
「思っていたイメージ通り。〇〇〇〇〇〇」
「意外とここもいいかもな。〇〇〇〇〇〇」
とフィーリングであることを決めます。
そう、「オープンキャンパスに行ってみよう!」です。
つまりまず表紙のヴィジュアルで学生がときめき、ワクワクして、行きたい!(まずはオープンキャンパスに)と思わせないと意味がないのです。
学校案内の第一目的は「一括資料請求をして、最初に手に取ってもらうこと。」と言っても過言ではありません。
そのように心がけてつくっている、私たちの制作事例をご紹介します。
「原宿がキャンパス」というコピーを体現すべく、原宿のストリート感、ワクワク感を演出。NYLONのスタイリストによる原ベルらしいド派手なスタイリング、カラフルなデザインで、学校の「楽しさ」を全面に表現しました。
学校が求めているオシャレさ、女性らしさ、柔らかさを洗練されたヴィジュアルで表現。デザインも一新して、新たにブランディングしました。
学校案内は表紙がとても大切なのです。
まずは手に取ってもらわないと始まらないのです。
④いわば写真集のようなものです。
しっかりとしたブランディングのキーヴィジュアルを設定したら、中面のページ制作に入っていくのですが、中面の制作時も同様です。あくまで目的が大事なのです。
学校広報の方と話していると、よくおっしゃっているのが「学校のことや学校の雰囲気を詳細に伝えるのは、オープンキャンパスや学校説明会などでの私たち広報の仕事です。まずは来てみてもらわないと始まらない。」ということなのです。
もちろん学校を知る上で入れるべき最低限の情報は学校案内にも盛り込んで行くのですが、学校案内にすべての情報を入れるのが正解なのではないのです。学校案内はあくまで「実際にオープンキャンパスに来てもらう」ツールなのです。
その広報の方はおっしゃていました。
「学校案内はいわば写真集のようなものです。」
そういった気持ちで私たちがつくっている学校案内の中面はこちらです。
もちろん、オープンキャンパス以降も情報を見返してみたり、再度比較検討をしてみたり、ということもあるのですが、それはむしろ次に紹介していくwebの役割になってきます。
専門学校のwebサイトはどうあるべきなのか。
①専門学校のwebは「誰が、いつ、どのようなタイミングで」がさまざま
webの役割も同様に先ほどのユーザー行動と一緒に見て行きましょう。
結論から言うと、webは学校案内と異なり、「誰が、いつ、どのようなタイミングで」が実にさまざまなのです。
高校生が専門学校のwebを見るとき
- 初期のSNSなどの動機付けから、実際に専門学校を比較検討するとき
- なんとなく気に入って、資料請求をしてみるとき
- オープンキャンパスに行く日程を調べたり、申し込むとき
- オープンキャンパス当日、学校への行き方を再確認するとき
- 親に「ここに行ってみたいんだけど」と見てもらうとき
- 「どれどれ」と親御さんが実際の校風や資格、費用などを確認するとき
- 試験日程を調べたり、受験するとき
などなど。
用途やタイミングが実にさまざまであることがわかります。
②専門学校のwebの正解は?
もちろんwebも学校案内と同様、ブランディングが大事なのは当然なのですが、一番大事なのは「使い勝手」です。
「誰が、いつ、どのようなタイミングで」というのがさまざまというのは、裏を返せば、「誰が、いつ来ても、どこに何の情報があるか、すぐにわかる」ということなのです。
そのような意識でつくった制作事例をご紹介します。
真野美容専門学校
https://mano.ac.jp/
100周年を迎える真野美容専門学校さんのwebは、つくりもデザインもだいぶ古い状態になってしまっていたため、0からコンセプトメイク、サイト全体のブランディング、設計を行いました。その結果、やや低迷気味だった人気も息を吹き返し、現在では募集人数も倍増しております。
住田美容専門学校
https://viva-next.com/works/sumidabeautyschweb/
住田美容専門学校さんのwebは2020年にリニューアルさせていただいたのですが、オープン後すぐにコロナになってしまい、オープンキャンパスができなかったり、実際にご苦労されたのですが、webのアクセス数はまったく落ちませんでした。
ブランディングも以前よりも明確になり、「実際に目指してくる学生さんと、学校側のミスマッチも減ってきた」など学校からも高い評価をいただいております。
まとめ
①同じ制作でも学校案内とwebは全然違うもの
ここまで見て来たように、同じ制作でも学校案内とwebは考え方もつくり方も全然違うものなのです。ユーザー行動と照らし合わせて見てみると、そのことがはっきりとわかります。
- 専門学校の学校案内は「誰が、いつ、どのようなタイミングで」見るものなのかが明確。実際にオープンキャンパスに来てもらうためのツールと言っても過言ではない。
- 一方でwebは「誰が、いつ、どのようなタイミングで」見るのかがさまざま。「誰が、いつ来ても、どこに何の情報があるか、すぐにわかる」ことが一番大事。
②制作事例
弊社vivace nextは、このような「要件定義」と「ブランディング」を大事にwebサイトや紙媒体などの制作をしております。
MINX(ヘアサロン)
https://minx-net.co.jp/#top
CITABRIA BAYPARK(レストラン)
https://citabria-baypark.com/
D-Style(ユニフォームデザイナー)
https://dstyle-inc.com/
SUIT SELECT(スーツブランド)
https://viva-next.com/works/suitselectsns/
Honda Cars(ホンダ販売会社グループ 採用サイト)
https://www.honda.co.jp/dealer-recruit/
B next(美容メーカー)
https://bnext.co.jp/
もし制作のご依頼があります場合は、下記よりお気軽にお問い合わせくださいませ。
https://viva-next.com/contact/
(フランクなご質問などでも構いません!)